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廊下に立ちたい ~脱・登校拒否~
2016/11/25
前略
学園になんて行きたくないな……。
どうしても校門をくぐることが出来ず、学園の側の海に浮かぶテラスに座り、スマホを触って時間潰しをする日々。
入学したての頃は、楽しかった学園生活だったのに……。一体いつからこんな風になってしまったんだろう。
もちろん、自分の中ではわかっている。間違いなくあの時だ。
下駄箱のところで「おい、ジャンプしてみろよ」と言われ、怖くて断ることができず言われるがままにジャンプした。
カツアゲされただけならまだ良かった。それだけなら、少し金策を頑張ればいいだけのこと。大した問題ではない。
問題は、ジャンプした時にパンツをガン見されたこと。しかも真顔で、特にリアクションもない。
『なぜノーパンじゃないんだ』
きっとそう思っているに違いない。私だって、ノーパンで顔面騎乗してやりたかった。
それも出来ないCERO Aに、私の心はズタズタに引き裂かれた。
あまりの悔しさに、手にしたスマホの画面は涙で濡れてしまっていた。
水滴のせいで勝手にタップされてしまい、あるブログの記事が映し出されていた。
そこには入学したばかりの、ある学生のことが書かれていた。
虚ろな目で記事を読み進めると……。
バケツを持って廊下に立つブログ主の姿が写っていた。
欲しいっ。この時の私の目は好奇心旺盛な子どものようにキラキラ輝いていたに違いない。
一体どうやったら手に入れることができるのだろうか。目的のためには手段は選ばない。ネタバレなんてなんのその。攻略サイトをフレッツ光の速さよりちょっと遅いくらいの速さで開いていた。
何々……。3階の教室でクエを受けるのか。その教室は……すでに解放済み!?
廊下を全力で走り、その教室へと向かう。
なんということだ。このクエはすでに受注済み。あの素敵な仕草は目の前にあったわけだ。
受注したその日にクリアしてしまっていれば、私も素敵なスクールライフを送れていたというのに。そんなことはつゆ知らず、海岸でいちゃつくカップルを見守り続けてしまった。これほど無駄なことはあるだろうか。
というわけで、思い立ってからものの3分で仕草を手に入れました。
私はバケツ2つでこんなにも苦しそうな表情だと言うのに、コンシェルジュは大きな箱を余裕の表情で持っています。
もう数カ月も持ち続けているのにね。
草々